痴呆症

むずかしい問題だな。
おととし亡くなった祖母も痴呆だった。周りも辛いけど、記憶がなくなる本人が一番辛い。

一緒に住んでいたけど、私は仕事をしていたから、一日中、一緒ではなかったけど、
私の母は、朝から夜中まで大変そうだった。

一年ぐらい、家の中が、ひどい状態だった。祖母も母も。
寝たきりではなかったので、勝手に外に出て行こうとしてしまうので、それを止めるのが一苦労だった。
時間の感覚がないので、何時でも出て行ってしまう。
自宅が国道の近くなので、可愛そうだけど、家の中からではなく、外から鍵をかけた。

でも、ちょっとした隙に、出ていき、畑で寝てしまっていたこともあった。
一度出ると、家に入れるのにまた、一苦労。
若いとき百姓をしていた祖母は腕の力が強かったので、暴れて大変だった。


普通の状態に戻る時も、時々あり、その回数が、だんだん減っていった。


そして、おととし、急に、もの凄く体力的に元気だったはずの祖母が亡くなった。
大好きなみかんを喉につまらせて。


本当に、みかんが大好きで。
ビールも大好きで。
お花が大好きで。歌と踊りも。

そして、私のことも大好きでした。
すご〜く可愛がってくれた。


最後は、痴呆が進んで大変だったけど、今、思う。
そんなの最後の1年だけだった。
私は祖母と関わったのは30年。
30年間近く、温かく見守ってくれていたんだから。


今月、25日は、祖父の命日。
祖母は、生前、寝る前に
祖父の仏壇に
「じーさん、今日も一日終わったよ。ありがとう。」
と手を合わせてから休んでいた。


祖母の大好きな紫の花を持って、供えてこようと思う。