半年後〜別れ〜Ⅲ

会うのは、いつも夜でした。
会社が終わってからなので。
この頃は、会社の人に見つからないようにと、行く場所も限られていました。

誘うのは、私からの方が多かったです。
このまま、私が電話を掛けなかったら、自然消滅になるのでは、とも思いました。

そう感じ始めた頃、星が綺麗に見える夜のこと。
山へ、ドライブ。
そこは、天文台もある場所で、空一面に星が見えます。
10月で、山の上、外はすごく寒かったです。

その素敵な場所で、彼は、私に言いました。
「気持ちがなくなった。別れよう」
と。

私は、思考が止まりました。
何て答えたらいいのか、わかりませんでした。

何だかわからないけど、
「別れよう」
と言われてしまいました。

それから、会社で顔を合わせるのが辛かったです。


1998年、秋の出来事でした。
おしまい。



当時、彼は、会社で営業にまわされたばかりでした。
それまでは、現場でのガス工事が主な仕事。
慣れない仕事で、私とのことを考える余裕がなかったのだと思います。
別れてからも、私は話をしたくて、
「元気?」とか「最近どう?」とか、月に1度くらい電話していましたね。
がんばってたんですね〜。